山ッチの自転車漂流記

ブルベをはじめ自転車にまつわる雑多なことを書き散らします。

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BRM604宇都宮600km試走編(復路)

PC5~PC6(ローソン川西上小松店) 54.3km
国道287号を南下する途中で日が暮れた。雨はいつしか止んでいた。
この道は、アップダウンがそこそこ続くが、きついというほどではない。
しばらくすると、右前方の薄闇の中に最上川(と思う)の雄大な流れが水墨画のような感じで見えてきた。もう少し早い時間に通過したかった。
2晩目に入り睡魔が出てきた。400km以上のブルベでは、睡魔を上手にコントロールするのがポイント。私の対策は2つ。一つはカフェインや糖分補給により睡魔を抑え込むこと。もう一つは15~20分程度仮眠して睡魔と妥協すること。前者は昼間の睡魔には有効な気がするが、暗くなったら基本は後者。眠気を我慢して走っても能率が上がらず、危険なだけ。
そういう訳で、コイン精米機を見つけ、その中で15分ほど目を閉じた。首が何度かコックリコックリしたら起きるタイミング。
国道287号が国道113号とぶつかる丁字路(長井市今泉上、コマ図復路9)に至った。ここを右折し、直後に跨線橋を渡り国道287号に左折するのが本来のルート(復路10)。跨線橋の手前にガード下をくぐり国道が大きく左にカーブする箇所があった。これを復路10と勘違いし、結果として国道113号を直進してしまったようだ。痛恨のミスコース。小雨も降ってきた。
実は、復路12と13はスタッフから特に調査を依頼されていたポイント。それらしき箇所が見当たらず、何度か行きつ戻りつした。訝りながらも前進すると、コース上にあるはずのない「道の駅いいで」が前方に見えてきた。近くの道標にはしっかりと国道113号の文字。結局、7~8km誤ったルートでウロウロしていた訳だ。本来のルートに戻るのにさらに6km。13km以上余計に走ったことになる。「600kmのうちの数km位」と思われる方もおられようが、これが結構疲れるのだ。サイコンで測っている距離がグチャグチャになってしまうという副産物もある。
せっかく貯まった貯金をはき出すこととなり、気分が荒んできた。が、すぐ思い直した。ブロック屋さんの親切やスタッフの激励を無駄にしてはいけない。OTになっても、ルートを完全に辿り、コース情報を収集するというミッションがある。私淑するへばな師匠が、昨年9月の400kmでOTになりながらも完遂した壮絶な一件も心の支えになった。
出走前に依頼されていた調査ポイントを確認し、ラミネート加工したコマ図上に赤い油性ペンでメモしようとしたら、書けない?どうやら雨が邪魔しているらしい。仕方がないのでデジカメを備忘録代わりに。
006_convert_20110530200935.jpg
PC6のローソンが見えてきた時は、心底ホッとした。
22:04着<23:20、1:16>。お茶、ミニクロワッサン。
※到着時刻<PCクローズ時刻、貯金>。補給のため調達した食品。

PC6~PC7(セブンイレブン猪苗代若宮店) 66.4km
この区間には白布峠への登り返しがある。しかも時間は深夜。今回のメインイベントと言ってよい。幸い雨は降っていない。
PC6を発ち、米沢市内方面に向かう。再び睡魔が襲ってきたので、道端で歯磨きする。効果なし。仕方なく、途中の食堂の自販機の陰で15分程度の仮眠。
ここから米沢市内、小野川温泉を経由して復路21のポイントに。
ここから1.5kmほど上った集落(小白布?)で再び眠くなる。時刻はちょうど日付が29日に変わる位。バス停を発見し仮眠の態勢。横になると眠りこんでしまう恐れがあるので座ったまま。
――――――ZZZZZZZZZZZZZZZZZZZZ―――――!
ハッと気づき慌てて時計を見ると1:00に。眠り込んでしまったらしい。次のPC7のクローズは3:44。2時間半で1000m近く登り、猪苗代まで行けるのだろうか?
白布温泉付近は斜度が特にきつい。どなたかのブログに「鶴カントリーの坂が数キロ続くイメージ」と書かれていた。距離はわからないが、斜度はそんな感じ。自販機でコーラを買い、PC5で頂いたパンで補給。
温泉街を越え、天元台入り口付近に至ると勾配がやや緩やかに(帰ってきてから知ったのだが、この付近の林道で車の転落事故があったらしい)。
車は1台もすれ違わず、追越されもしなかった。物音は自分の呼吸音とペダルをこぐ音、沢の音、サルの鳴き声くらい。濡れた路上にはサンショウウオ(?)が出てきている。真っ暗な区間だが、必死なので寂しさ恐ろしさはない。
峠に至った。時刻は2:30くらい。記念写真をパチリ(呑気に写真撮ってる場合か!)。
011_convert_20110530015511.jpg
駐車場にはキャンプ中と思われるワンボックスカーが1台。物好きな人もいるものだと感心したが、我が身を振り返り苦笑。
下りに待ち受けていたのは濃霧。標高1300~1100mがガスに覆われ、視界10m程度。ライトの光が乱反射し見難いことこの上ない。下りなのにスピードを出せない。
幸い桧原湖付近に至ると視界が戻ってきた。暗い湖面にほのかな照明が反射し揺らいでいるのはとても幻想的だが、ロマンチックな気分に浸っている場合ではない。
PC7まで一気に駆け降りた。首の皮一枚つながった。
29日3:35着<29日3:44、0:09!!>。おにぎり、カップめん、お茶。

PC7~PC8(セブンイレブン天栄松本店) 50.5km
猪苗代湖畔に向かう途中で夜が明けた。小雨が降っており、湖面には薄くガスも出ている。5月に入り何度も猪苗代湖を見ているが、一度もきれいに晴れた風景を見ていない。
平坦で起伏のアクセントに乏しいためか、また眠気を催してきた。白布越えの前の一件があるので躊躇したが、勢至堂峠の下りで居眠りしたら最悪。往路でチェックしておいたバス停の一つに入った。雨がバス停のトタン屋根を柔らかく叩き心地よい。すぐ眠りに落ちたらしいが、5:00ちょうどに大音量で音楽が鳴り(防災無線?)、目を覚ました。
リスタートし、ほどなく勢至堂トンネルに至った。トンネルを越えても国は変わらないが、雨脚は明らかに強くなった。猪苗代湖畔に比べ雲も厚い。
若干の向かい風を感じたが、下り基調のため比較的楽にPC8に到着した。
6:17着<7:08、0:51>。ピザパン、コーヒー。チョコレート(補給食として)。

PC8~PC9(ファミリーマート道の駅はなわ店) 45.9km
この区間は、一昨年5月の400kmでも走った道。あの時も強い雨が降っていた。石巻のSさんと一緒に道の駅はなわを目指したっけ。ブロック屋さんの情報によると、Sさんは石巻の海沿いでお仕事されていて被災したが、御無事だということ。
雨は少しずつ強くなり、矢吹のヨークベニマル付近で本降りに。
県道44号はそれなりに交通量のある道。路肩付近には轍があるが、雨で滑りやすく危険。心持ちいつもより右目を走るようにするが、時々クラクションを鳴らしたり、すれすれに追越す車がある。排気量の大きな車にこの傾向があるようだが、気のせいだろうか?
毎度おなじみのファミリーマート道の駅はなわ店に到着。ここに来る時はいつも雨が降っているなあ。もしかして俺って雨男?
8:43着<10:12、1:29>。メンチ&唐揚弁当、コーヒー。

PC9~PC10(セブンイレブン那珂川町馬頭店) 43.2km
この区間も宇都宮ブルベではおなじみ。区間距離も短い。
この辺りから坐骨付近が痛くなってきた。今回は膝の痛みがひどくないので時々マッサージ代わりのダンシングを取り入れながら。
雨脚がいよいよ強まってきた。風をそれほど感じないのが幸い。
茨城・栃木県境の境明神峠を越えると「帰ってきたぞ」という気分になる(ゴールまでまだ60kmもあるのにね)。
11:06着<13:04、1:58>。水。

PC10~ゴール(宇都宮森林公園管理センター) 47.4km
PC10ではボトルの水だけ購入。予備用にと自宅から持ってきたソイジョイを食す。
自宅に「14時位には家に戻れるかも」とメールを打つ。
しかし、この時点では、風雨が強まること、尻の痛みがひどくなることに加え、コース設計者の企みに気が付いていなかった。
アップダウンが連続する八溝グリーンライン(YGL)も、宇都宮ブルベではおなじみルートだが、3月の地震の影響で一部通行止めとなり、5月7日の400kmでは途中から国道293号に迂回するルートがとられた。
今回はYGLを進めるところまで進み、通行止めの直前で左に迂回するルートが採用される。YGLは一つ一つの坂は短いが、10%程度の斜度が断続的に出現し、ブルベ終盤で消耗した参加者たちを苦しめる。
今日はこれに加え、悪天候。PC10を出たあたりでとうとう土砂降りに。
YGLの坂をよじ登ると轍を伝って雨水が滝のように流れてくる。こういうときダンシングしトルクを掛けると後輪がスリップして危険。
YGL攻略の裏技は、下りを最大限活用してスピードを上げ慣性で登りを稼ぐというものだが、雨や交差点の見通しの悪さから、今日はこの戦法は使えない。黙々とペダルをこぐしかない。シッティングばかりなので坐骨付近の痛みはますますひどくなる。
連続する2つのトンネルを抜け、急坂を登るとすぐに迂回ポイントが現れる。ホッとして左折する。この後、復路68のポイントで右折すべきところを左折してしまった。YGLを西方向に進んでいるので、迂回ルートも当然西に進むという先入観に取りつかれたのが原因。すぐに気付き引き返すが、YGLとの合流ポイントまでが結構長かった。YGLに戻り前方を見るとまた坂が・・・・・。コース設計者の執念というか拘りみたいなものを感じた。
平坦路に入ると今度は北風。4~5m/sくらいはあったのではないか。向かい風ではなく横風基調だが、疲れた体には結構つらい。
結局、ゴールの森林公園管理センターに辿り着いたのは14:03。38時間3分の長旅が終了した。失敗が多かったが、色々な人に助けられ支えられた、生涯忘れることはないだろう、そんな旅だった。
おっと忘れてはいけない、スタッフに送るエビデンスをパチリ。
CA3A0059.jpg
14:03着<16:00、1:57>。

試走後記:
・今日ロードバイクに乗っている人はさすがに見かけなかった。後で考えると、全身ずぶ濡れの格好でPCを利用するのは周囲にどのような印象を与えるのだろうか?でもブルベの最中には「とにかくレシート貰わなくちゃ」の意識が強くて、気にしていられないんだよね。
・白布峠は距離、勾配、標高からみると日光の霧降に似ている印象。最大勾配は白布の方が上か?
・今回、様々なトラブルに見舞われながらもミッションコンプリ-トできたのは、ブロック屋さんのおかげ。改めてお礼申し上げます。星輪店さんも手早く親切な対応ありがとうございました。
・折返しのPC5で待っていて下さった、ランドヌール宮城のK谷さんご夫妻。おいしいパンをありがとうございました。このパンがなければ、復路の白布でハンガーノックになったか、OTになったかもしれません。
・スタッフの方々からは要所要所で激励メールをいただき、大いに元気づけられました。苦しい思いはしましたが、寂しい感じはしませんでした。
・ブログ等を通じ応援を寄せていただいた皆様にも、心より感謝申し上げます。
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コメント


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まさにブルベ!

・無事に「完走」出来て、読んでる私もホッとしました。 しかしPC7の9分前到着は「劇的」でしたね~。 これこそ「まさにブルベ」ですよ~(^_^)v

・「白布峠」は「霧降」みたいな感じなんですか~。 シングルでは、ちょっときついかな? 霧降登るといつも「腰」に来ちゃうので・・・(>_<)

・ところで、メモ出来ずに写真を取った、「ダリヤ園」の表示がある道路標識は復路の「NO13」の所ですか?

 へばな | URL | 2011-05-30(Mon)21:48 [編集]


へばなさんへ

自転車に関して、今回ほど時間に追われた経験はありませんでした。PC7では買い物しながらも時計が気になって仕方ありませんでした。

ダリヤ園の道標があるのは、その通り、復路13です。5月25日版のコマ図では目標物が分からないので「現地でランドマークを探してほしい」というのが指令でした。

yama | URL | 2011-05-30(Mon)22:27 [編集]


壮絶なドラマ

yamaさん。
大変お疲れ様でした。
数々の試練を乗り越え、見事完走!
ホント良かったですね。

往路だけでも心が折れそうな展開なのに、
復路もこのような事が待ち受けていたとは。

yamaさんの精神力に感服しました。

K谷さんのパン、ホント美味しいですよね。
宮城開催のブルベ後に良くいただいてます。

ブロック屋 | URL | 2011-05-30(Mon)23:44 [編集]


Re: 壮絶なドラマ

ブロック屋さん

コメントありがとうございます。
そして週末は大変お世話になりました。

復路は不注意から自分で自分の首をしめてしまいました。
ほとんど心が折れていましたが、完走できたのは皆さんの励ましと運のおかげと思っています。
こうした事態にも対応するのがブルベの醍醐味なんでしょう(走っているときは、そんな評論家みたいなこと言ってる余裕はないんですけどね)。

ところで29日のGF飯豊は盛況だったようですね。
なでらさんのHPで拝見しましたが、美しいところですね。雨は余計だったでしょうけど。

600kmの本番頑張ってください。応援しています。

yama | URL | 2011-05-31(Tue)04:35 [編集]


お疲れ様でした。

大変お疲れ様でした。
悪天候のなか、数々の苦難にも負けず本当に素晴らしです。
星野輪店に寄った情報は、なでら男さんのツイッターに宇都宮試走600kmの人がスポーク云々とあったので、多分yamaさんではないかとその後を心配していました。
さすがにリカバリーも上手く行って良かったです。
レポートもご苦労さまでした。ゆっくりと休息してくださいね。

masa(茨城) | URL | 2011-05-31(Tue)05:02 [編集]


Re: お疲れ様でした。

masaさん

コメントありがとうございます。
数々のトラブルを経てなんとか試走完走しました。
スポークを折ったのは計算外でしたが、山形のブロック屋さんはじめ親切な方々の支援で乗り切れました。

今週末の600km本番ではスタッフ協力します。
スタート&ゴール地点でお目にかかれると思います。

yama | URL | 2011-05-31(Tue)05:37 [編集]


人生の縮図のような展開が・・・

♪三歩進んで二歩下がる♪・・・人生はワン・ツーパンチ♪・・・
まさにこの歌のような展開。
益々遠い所へ至ってしまいましたね、すばらしい世界に!って感じです。
一人旅にいつの日か着いて行ける様に成りたい、力不足の弟子より。

アルテアルマー | URL | 2011-06-01(Wed)23:56 [編集]


Re: 人生の縮図のような展開が・・・

「人生の縮図」なんて大層な話じゃないですが、これまで自転車乗ってきた中で一番トラブルが多発したロングライドだったのは間違いありません(トラブルの深刻さでは昨年の300kmの方でしょうが・・・)。
今年はブルベはこれで終了です(7月の山岳3連戦は仕事の都合で参加できません)。
のんびりとツーリングでも楽しみましょう!

yama | URL | 2011-06-02(Thu)06:21 [編集]


No title

はじめまして、BRM604に参加予定のすどうと申します。
試走レポート、大変参考になりました。
ありがとうございました。
当日はよろしくお願い致します。
(念のため、スタッフのすとうさんとは別人です)

すどう | URL | 2011-06-02(Thu)17:50 [編集]


すどうさんへ

コメントありがとうございます!
このレポートが少しでも参考になってくれれば、うれしいです。
本番では、スタートおよびゴールでスタッフ協力する予定ですので、よろしくお願いいたします。

yama | URL | 2011-06-02(Thu)20:39 [編集]


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